1 基地訪問の概要
(1)目的
ア 平成6年災害派遣任務中、殉職した同期生の墜落現地(静狩峠)における慰霊
イ ①基地勤務者並びに②基地防衛協力団体に対する防衛講話
(2)期間令和2年12月2日(水)~12月4日(金)
(3)訪問先①基地内庁舎及び②八雲町内の施設
(4)主な訪問日程ア 12月2日(水):羽田空港(10:00)→函館空港→八雲駅→基地到着(14:00)→基地講堂において幹部及び上級空曹約30名に対する防衛講話の実施(14:30~15:30)→町長表敬(16:00~16:20)
イ 12月3日(木):基地発(12:00)→静狩峠における慰霊(1350~14:10)→基地到着(15:00)→基地協力団体関係者表敬(15:30~16:30)→基地協力団体関係者への講話(18:00~19:00)
ウ 12月4日(金):八雲駅発(09:32)→函館空港→羽田空港(13:30)
2 講話の主な内容
(1)八雲分屯基地ア 当該基地司令として勤務していた当時に作成した「隊長雑感」(このホームページ「基地の思い出」に掲載)をもとに以下の3つのエピソードを基に講話の実施。
イ 最初に、平成10年8月三陸沖に着弾した北朝鮮の弾道ミサイルを取り上げ、「作戦遂行能力の把握及び常備不断の心構えを怠らず」を強調。
ウ 次に、隊員の早期発見による事故の未然防止事案を取り上げ、「信賞必罰の徹底」、特に自隊の報奨制度の充実が望ましいと主張。
エ 三つ目には、前大戦生き残りの方が上梓された図書から引用した、指揮統率の重要事項「一身上の快適性と安全性」を紹介。
オ 最後に、入隊以来最初の部隊指揮官として八雲の地で勤務し、健全な隊務運営を実行する上で“顔の見える”指揮官であるべきことを学んだと付言。
(2)八雲町ア 基地講話と同様に、「隊長雑感」から以下の3つのエピソードを引き、講話を実施。
イ 最初に、基地内外の各種祭りの思い出を話し、それ自体は基地や町を活力化する源泉のひとつと説明。特に10年に一度ブルーインパルスの曲技飛行を観覧できる基地開庁記念祭における感激・感動を語った。
ウ 基地内外でのスポーツ交流は、隊員及び町民相互の信頼関係を促進する上で重要。特に、当時町内で盛んであったスポンジテニスを話題にした。
エ 三つ目には、分屯基地唯一の1,800m滑走路を保有していることから、各種実動訓練、並びに雄大な自然の恵みの下の勤務・生活の各環境に感謝するともに、隊員・家族の情操教育にも効果てきめんと述べた。
オ 初めて地域行政とのかかわりを持つ職に就き、基地の存立と発展には地元自治体との密接な連携、及び地域住民との信頼感は不可欠であることを実感したと述べた。
3 静狩峠における慰霊の概要(基地庁舎入口のパネルからの抜粋等)
(1)平成6年10月4日22:34頃、北海道東方沖地震が発生。被害状況を把握するために茨城県に所在する百里基地から偵察機RF-4E×3機が発進。
(2)このうちの1機が10月5日03:00頃、北海道山越郡長万部町静狩峠付近の山中に墜落、搭乗員2名が殉職。
(3)平成10年以降、墜落現場の最寄りである八雲分屯基地が殉職者の同期生と共に毎年慰霊行事を催している。